モロッコ旅行記(5)カスバ街道→サハラ砂漠

12/31、2008年の最後をこうしてモロッコの山奥で過ごしていることに、不思議な感慨を覚える。
朝7時半出発というのに、起きたら7:10でけっこうあせる。早々に朝食を食べに行くと、みんなまだのんびりと食べている。後からだんだんわかってきたが、どうも我々のグループは時間に割とルーズなスタイルの人が多いらしい。結局、出発したのは8時近かった。

昨日来た峡谷への道を下り、またカスバ街道を行く。途中の景色↓



街道の途中、ティネリールのオアシスで車は止まり、ガイドの案内で、しばし散策に出かける。


このあたりの村は、遊牧民の住処で、夏は家を空けており、冬になると家に住んでいるそうだ。


途中、ベルベル人の家の中に案内され、ミントティーをいただきながら、ベルベル絨毯の製造工程について説明を受ける。


やがて、↓のような絨毯を何枚も出されて、「買わないか?」としばらく勧誘を受けたが、誰も買う気がないので、ベルベル人もあきらめたようだった。ただ、値切って買えば、(日本で買うことを考えれば)それほど高いものでもなかったかもしれない。
(自分も、少し惹かれたが、荷物になると思ってやめておいた。実際、後日、雨が続いて大変だったので、買わないでおいてよかったかもしれない)


オアシス散策を終えた後は、トドラ峡谷に向かう。この途中の道も、なかなかの景色↓


トドラ峡谷に到着。切り立った岸壁が峡谷に双璧として並んでいる。自力ではさすがにここまで来る気にはならず、ここまで来れるのもツアーならでは、という所である。



ここで昼食をとる。スペイン人夫婦がジュラバ(モロッコの民族衣装)を買って着ていたり、オランダ人グループのモロッコに来た事情などがわかってなかなか面白かった。
昼食の後は、一路いよいよサハラ砂漠に向かう。途中、次第に雨が強く降り始め、不吉なものを感じる。せっかく砂漠の初日の出を見に来たのに、そもそも砂漠で雨とは一体・・・


砂漠の道の果ての村、メルズーガに車が着いた頃には、雨が本降りに。。


ここで、小さい荷物だけ持ってラクダに乗って砂丘まで行け、と言われる。この雨の中、わざわざ行くんですか・・・
みんな↓のような格好になって行きました。この旅に雨具を忘れなかった自分を、褒めてやりたい気分に。


雨の中、↓のようなラクダにみんなで乗って、砂丘を行きました。



本当はサンセットを楽しみながらキャメルライドを楽しむはずだったところが、雨は降るし空は暗くなるしで、写真も全然撮れない中、およそ1時間半ほどの行軍を続け、ようやく砂丘の麓に設営されたテントに到着。ラクダを降りた頃にはすっかりずぶ濡れ。これほど不快な旅もなかなかないでしょう。
おまけにテントに入ったらテントの中も濡れてるし。。そら砂漠で雨対策なんて普通しないわな〜と思うが、こんなに水びたしの中のテントで寝るんですか・・・


みんなで比較的濡れてないテントに集まったら、スペイン人とオーストラリア人がワインを出してくれたので、みんなで寒さに震えながらワインを飲んだ。大晦日にわざわざモロッコまで来て、こんなイケてない夜を迎えては、酒でも飲まないとやっていられない。。それはともかく、ここで、ここまで案内してきたベルベル人たちまで便乗して飲みだして、一向に夕食の準備が始まらない。
おーい、いつになったら夕食の準備始めるんだよ〜とみんながだんだんキレそうになってきたところで、やっとベルベル人たちが夕食の準備を始めた。


夕食もなかなか出て来ないので、待ちくたびれて、疲れたしもう寝るか、と思った頃に、できたぞ〜とタジンが到着。


悲惨な境遇の中で食べたタジンだったが、ここで食べたタジンが、よく肉が煮込まれていて味が出ていて、一番うまいタジンだったかもしれない。これ以降、タジンにはまり続け、いろいろと食べることになるきっかけになった。
夕食の後は、寒いし雨も降ってるし星も見えないし、とやることもないので、ビールを空けて床につく。
こうして2008年の夜はカウントダウンもせずに過ぎていった。