カンボジア・タイ旅行記(5)シェムリアップ→バンコク

9/9、この日はカンボジアを離れ、タイのバンコクまで戻る。
当初、首都プノンペンにも行くつもりだったが、プノンペンまで行ってしまうと、今回、南の島でのんびり過ごす日程が短くなってしまうので、両者の予想される効用を比較し、今回はプノンペンに行くのは断念することにした。
ただ、カンボジアは今回初めて行ってみて割と面白かったので、次回、カンボジアに再訪する機会ができれば、プノンペンの様子も見てみたいところである。


それはともかく、この日は朝7時半にホテルをチェックアウトして出発。シェムリアップ滞在組の人たちとの別れを惜しみつつ、迎えに来ていたタクシーに乗る。
一方、迎えに来ていたタクシーのうちの1台が、エンジンの調子が悪いようで、ホテルに着いてからいろいろ修理を試みていた。
当初、このタクシーは、国境まで行くバスが出るバスターミナルまで我々を送ってくれるためだけのものと聞いていたので、そのときはあまり深く気にせず、自分は先に調子の悪くない方のタクシーに乗せてもらって出発したが、バスターミナルまでなかなか着かないなぁ、と思っていたら、どうやらタクシーはシェムリアップを離れ、国道6号線をずっと西に向かい始めた。どうも、このタクシーで、国境まで行ってくれるらしい。
これはこれで、道も悪いのでバスでなくてラッキー!とは思ったが、「すると、あの調子の悪いタクシーに乗るはずだった人はちゃんと国境まで着けるのかしら?」という疑問も湧いてきた。まぁ、無事なんとか国境で再会できることを祈る。


前夜、スコールが降っていたこともあり、途中、赤土の未舗装道路の路面は所々ぐちゃぐちゃになっていた。車高の低いタクシーに乗っていたのでまだそれほど不快な思いはしなかったが、通常のバスだったらきっと、もっと大変な思いをしただろうし、もっとずっと時間がかかったことだろう。国境までずっとタクシーで行けて、非常にラッキーだった。
シェムリアップの町を出ると、途端に家もなくなり、道の左右がひたすら田んぼか野原かわからぬ草原に。このような景色が道の両側を延々と続く。


草原の中には、ときどき牛が出てきて、道中、その牛達が車やバイクと一緒に国道6号線を歩いていたり、横切ったりする。
シェムリアップは正直、大して大きな町でもないが、それがカンボジアの中ではいかに都会の町だったかを思い知る。アンコールワットが世界的観光地になったおかげで、人口も増加し、町は広がりつつあるらしいが、シェムリアップの町を出ると、ひたすら広大な草原の続く国である。
カンボジアという国の貧しさを感じるとともに、膨大な経済発展のポテンシャルをも感じた。将来、国道6号線の舗装が進み、ベトナムカンボジア〜タイの東西回廊が完成すれば、経済発展が進むかもしれない。今から投資を考えようかなぁ、と思いながら車窓の風景に見入っていた。


ともかく、タクシーで国境まで行けたおかげで、スコール明けの赤土の未舗装道路を走り抜けた割には、予想していた不快な思いもすることなく、3時間半ほどで国境の町ポイペトに到着。さっさとイミグレを通過し国境を越えてタイに再び入国する。途中のカンボジアの村と比べて、文明化の度合いが一気に上がり、あぁタイに戻ってきたのだなぁ、という感覚を覚える。
このタイ側の国境の町アランヤプラテートで、タクシーの故障した後発組の人たちを待つ。一時間弱ほど遅れて後発組が到着。どうやらあのタクシーは走れず、代わりのタクシーに乗ってきたらしい。ともかく、無事に再会できてよかった。


1時に、バンコクに向かう車に乗って出発。カンボジア側とは道路の状態も車窓の風景も一気に代わり、まるで先進国に来たかのような錯覚を覚えた。
国境からバンコクまでは3時間ほどの道のりと聞いたので、食事はバンコクについてからちゃんとするか、と思っていたら、バンコク市内に入るのに大渋滞にはまり、5時間かかり、結局、バンコクのカオサンに着いたのは、夕方6時になった。


当初は、このまま、タオ島行きの夜行バスをつかまえて、一気にタオ島に向かう予定でいたが、一日中車で移動していて疲れたのと、途中、同じツアーの人たちと、「せっかくタイまで戻ってきたんだから、みんなで何か美味いもの食べたいよね〜タイスキでも食べに行きますか〜」という話になり、予定を変えて、バンコクに一日滞在し、みんなで夜の街に繰り出すことに。


何はともあれ、昼食もとっていなかったので、まずは食事、とタイスキの店に。同じツアーに参加していたバンコク駐在員の日本人の方に、地元で有名なタイスキの店まで案内してもらう。バンコクの中心地まで行くと、その日の昼までカンボジアにいた自分としては、そのあまりの都会さとのギャップに、不思議な感覚を覚えた。
みんなで食べたタイスキは、「うまい!」の一言。久しぶりの都会的な食事に、みんなで喜びを感じながら食べまくった。



美味しいタイスキをたらふく食べて満足しました。案内してくれたKさんには、感謝!の一言です。
タイスキを味わった後は、みんなはバーに、自分はマッサージに行くことにして別れることに。「また何かの機会に会いましょう〜」と言って別れる。今回は完全な一人旅ではなくツアーに参加したために、いいメンバーと出会うことができて、予想以上に楽しい時間を過ごすことができた。私は普段はツアー派ではなく、一人旅派だが、たまにはこういう出会いにめぐり逢えるのも、いいものである。
そんな訳で、予想以上に楽しく過ごすことができたカンボジア旅行の日々であった。