充実の大阪・京都出張(3)

出張2日目の土曜日の朝。この日は、国立京都国際会館で行われる「産学官連携推進会議」に出席するために、京都に行く。

会議自体は、お役所主催の会議であったせいかどうかは知らないが、今ひとつ面白みに乏しい会議であったが、唯一、米倉誠一郎 一橋大学イノベーション研究センター長・教授の講演と、その米倉先生主催の分科会だけは、お役所主催の会議らしくない本音トークを聴くことができて、なかなか面白かった。彼があの会議にいなかったら、きっと京都までわざわざ来て時間の無駄だった、と思ったことであろう。

米倉誠一郎先生は、イノベーションアントレプレナーシップを専門とされている教授で、彼の著書は読んだことはあったものの、実際に話を聴いたのは今回が初めてであったが、実際、話を聴いてみると、大学教授というよりもまるでアジテーターという感じで、盛んに日本におけるアントレプレナーシップの必要性を訴えかけていて、聴衆の心をつかんでいた。講演後、彼と直接話をすることができたのが、今回の一つの収穫であった。

会議終了後、交流会があったので、せっかくなので誰か面白い人と出会えれば、ということで積極的に名刺交換をする。何人か今後につながりそうな人に出会うことができた。中でも、サイバーダインという、ロボットスーツを開発する大学発ベンチャーを起こした、CEOの山海嘉之さんとそのご同僚の筑波大学の教授の方とは話が盛り上がり、交流会後、3人で、近くのホテルのバーで深夜まで語り合った。2人とも本音で語り合うことのできる方々であり、日本の経済、大学やベンチャーをめぐる環境とその問題点などについて熱く語り合いつつ、非常に刺激を受けることができた。今後ともどこかで引き続き交流を続けたい方々である。

そんなこんなで11時過ぎまで京都の宝ヶ池で飲み明かした後、大阪のホテルまで戻る。途中、阪急の梅田行きの終電がなくなっていて、途中の駅から大阪までタクシーで帰る羽目に。こんなに早い時間に終電がないとは想定外であり、東京との違いを実感させられた出来事であった。
(続く)