人生の成功とは何か 最期の一瞬に問われるもの

ふと見かけて手にとって読んだ本。
いわゆる普通の「成功本」とは一線を画しており、内容は、非常に深く、また、この歳になって読んでみると、非常に腑に落ちる。
私は、特に田坂広志氏のファンではないが、本書には感銘を受けた。

人生の成功とは何か 最期の一瞬に問われるもの

人生の成功とは何か 最期の一瞬に問われるもの


本書では、「人生の成功とは何か」という問いは、「自分にとって、人生の成功とは何か」と問うべき問いであり、この問いを、できることならば、若くして自らに問うことが大切、としている。
また、その答えとしては、世の中には、「勝者の思想」「達成の思想」「成長の思想」という「三つの思想」があり、それは、我々の心の中に、同時に存在し、そして、我々が人生において、年齢と経験を重ねるにしたがって、一つの思想から、もう一つの思想へと成熟し、さらにもう一つの思想へと進化していく、その様を語っている。
結局、人生において大切なのは、競争の勝者になることでも、目標を達成することでもなく、まず、一日一日を生き切ること、と明らかにする。


まぁ、私の陳腐な解説なぞ不要な本なので、興味がわいたら自分で読んでみてもらいたい。
人生の最期の一瞬に、「もし、おまえが、この人生とまったく同じ人生を、もう一度生きよと問われたならば、然り、と答えることができるか」と問われたときに、「然り」と答えられるように。
できれば、若いうちから折に触れて何度か読むことを薦める。