今回、旅の合間に読んだ本

一人旅に出ると、一人の時間がまとまってとれるので、普段読めない本の読書にも集中して取り組めてよいです。


新脱亜論 (文春新書)

新脱亜論 (文春新書)

アジア開発経済の碩学である経済学者・渡辺利夫氏が、明治時代以降の日本をめぐる極東アジアの歴史と地政学を振り返り、現代日本をめぐるアジアの地政学の中で、日本外交のあるべき姿の考察を述べた書。
著者は、アジア経済の専門家であるにもかかわらず?(いや、だからこそか?)、アジアの歴史から、「東アジア共同体」に疑問を提起する。
こんな充実した内容を新書の値段で読めていいの?と思うぐらい読み応えのある、興味深い本だった。
東アジア共同体」への賛成派にも反対派にも、「東アジア共同体」と日本の国益への考察を深めるために、一読を薦める。


影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

ビジネススクールのconsumer behaviorの授業で参考書として挙げられていた本で、古典的名著。前々から読みたかった本。
心理学の研究成果から、何が人に影響を及ぼすのか、豊富な実例とともに述べられており。非常に興味深い。
読み始めると面白くて、一気に読んだ。
ビジネスパーソンは経済学的思考だけでなく、心理学を学ぶことも重要だと思う。


カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)


言わずと知れた、世界の文学の最高傑作の一つと言われる深遠な小説。これまで読んだことがなく、こうした一人の時間がまとまってとれるときにでも読み切ることは難しかろう、と思い、遅まきながら今回初めて読んでみた。ようやく完読できた。
自分的には、残念ながら、そこまですごい小説だろうか?というのが正直な感想。確かに、いろいろと考えさせられるところもあるが、訳がよくなかったのか、歳をとって感性が磨り減ってきたのか、もしかすると感受性の高い学生時代ぐらいに読んでおけばよかったのかもしれない。あるいは、海辺で読むような本ではなかったかもしれない。
この本を味わいきるためには、おそらく再読が必要だが、再読するほどの気にはならない。
もともと未完の小説であり、小説の最後で明らかになっていない伏線が数多く残されており、ようやく読み終えながらも消化不良感があり、ドストエフスキーがまだ生きている間に続編を書き上げてくれればよかったのになぁ、と思った。