カンボジア・タイ旅行記(1)バンコク→シェムリアップ

昨日、カンボジア・タイへの旅から無事帰国しました。
私が旅に出て、世間の情報から意図的に自らを隔絶していた間に、バンコクの非常事態宣言は解除され、さらに、リーマン・ブラザーズが破綻し、世界経済に大変な出来事が起こっていました。そんなことはつゆ知らず、非日常の毎日を過ごしておりました。
(9/15は、突然、円→タイバーツへの両替レートがよくなったなぁ、と不思議に思っていましたが、リーマンの破綻で、急激にドル安・円高が進んだのですね。。(アジア通貨は大抵、円に対して米ドルと為替レートが連動する))


さて、それはともかく、カンボジア・タイ旅行記の第一弾。

9/5、夜の便で成田を発ち、深夜のバンコク スワンナプーム空港に到着。
翌朝早朝に、バンコクアンコールワットへのツアーに参加する予定であったため、空港で一夜を過ごそうかとも考えていたが、カオサンロードに行く日本人2人に声をかけられ、「タクシーをシェアしませんか」と誘われたので、一緒にカオサンに行き、カオサン付近の宿で一晩過ごすことにする。
空港出発ロビーでメータータクシーを捕まえ市内へ(到着ロビーでタクシーを拾うと50B手数料をとられるので、出発ロビーで拾った方が安い)。いい運転手で素直にカオサンまで着いた(たまに、遠回りするボッタクリタクシーに出会うことがある)。
非常事態宣言の出ているバンコクも、どうやら首相府周辺以外は平穏な様子。いつもと変わらぬバンコク市街。
とりあえずビールを飲んですぐに就寝。


9/6、ツアーを予約していたカオサンの旅行代理店前に朝6:30集合のところ、起きたら6:40で、めちゃくちゃあせる。
急いで宿をチェックアウトして旅行代理店へ。まだ人が集まっていて、なんとか間に合った。


今回、ツアーを予約したのは、A&R TRAVELという、カオサンにある日本人経営の旅行代理店。どんな旅行代理店かもよく知らぬままネットで申し込んだが、結果的には、ここはなかなか悪くなかった。
今回、参加したツアーは、バンコク発3泊4日の、アンコールワット&ベンメリア 陸路国境越えツアー
アンコールワットは、言わずと知れた世界遺産で、行ったことある知人がみんな良かったというし、ベンメリアは、天空の城ラピュタのモデルとも言われる遺跡。アンコールワットは、周辺の他の遺跡も含めるとかなりの見所があるが、特に遺跡マニアでもない自分は、とりあえず観ておくべき見所を押さえたこのツアーに参加するのが、時間も効率的に使え、また陸路でタイ・カンボジア国境を越えることで、観光地だけでない生のカンボジアにも触れることができるのではないか、と考えたのだ。


結果的に、このツアーに参加して正解。普段だったら、ツアーなぞには参加せず、一人旅を貫くところだが、なにせ、バンコクシェムリアップ間の陸路移動は、カオサン発の直行バスもあるものの、異様に評判が悪く(あえて夜遅くにシェムリアップに到着し、旅行代理店と提携しているホテルに無理やり宿泊せざるを得なくなるという噂が絶えない)、また、自力で陸路移動して、治安がいいとも思えないカンボジア国境付近を一人でうろうろしたくない、ということがあった。
加えて、このツアーは、短い日程で見逃せない見所は一通り押さえていて、いちいち自分で見所を探してうろうろする必要もないし、自力で行くと車をチャーターする必要がありお金がかかるベンメリアにも行ってくれるし、なんと言ってもよかったのは、まともな日本語ガイドが付いていたこと!自分のときについたガイドさんは、まじめにきちんと解説をしてくれるので、一人ではわからなかったであろう遺跡の見所や歴史の解説をしてくれて、非常にためになった。おまけに、ツアーに参加していた人たちと、毎晩飲んで楽しく過ごすこともできた。
これだけの内容で、3泊4日で3,300B。日本円で1万円強なら安いもの。それでも現地の感覚では結構な値段だが、上記の内容を考えれば、お得だと思う。一人旅でさんざん痛い目にあったことのある私としては、交通事情も治安も決してよくない途上国の旅では、時間と安全は少しばかりの金で買えるので、金のない学生ならともかく、まともな社会人の旅であれば、変に節約しすぎず、時間と安全は金で買うことを薦める。


まぁ、それはさておき、7時頃、カオサンからライトバンのような車に乗り出発。まずはカンボジアとの国境の町アランヤプラテートまで行く。3時間強ほどで到着。前夜3時間ほどしか寝ていなかったため、途中ずっと爆睡していた。
国境の町アランヤプラテートはこんな感じ。


ここから徒歩でイミグレーションを通過し、国境を越え、カンボジアの町ポイペトに行く。
タイとカンボジアのイミグレの間には、趣味の悪いカジノがあったりして、異様な雰囲気(タイ人の金持ちが行くのだとか)。
イミグレを通過し、カンボジアに入国。タイ側とは雰囲気が異なり、貧しい国に来たことを実感。ポイペトは雰囲気が怪しく、長居はお薦めできない。国境を越えたら、さっさと通過することを薦める。
ここで、国境越えを案内してくれたガイドの青年が、カンボジアの通貨リエルに両替することを薦める。が、国境の両替商で両替することは絶対にお薦めしない。代わりに日本から米ドルの小さい紙幣(1ドル札、5ドル札など)を持って行くべきである。試しに200Bだけ両替してみたが、ものすごくレートが悪かった。カンボジアではそもそも米ドルが通用するし、数日の滞在であれば、買い物したときのお釣りでもらえるリエルぐらいで十分である。また、もし仮に現地通貨で安く買い物しようと思ったとしても、シェムリアップに着いてから両替することを薦める(ちなみに、シェムリアップの銀行では、日本円から米ドルへの両替もできる)。
ちなみに、カンボジアでは、普通の商店では、1US$=4,000リエル、1タイバーツ=100リエルといったレートで通用しているようである。


そんな感じで国境を越えた後、シェムリアップに向かうタクシーに乗る(タクシーと言っても要は普通のセダン車だが)。
タクシーに乗るとき、ガイドの青年が、「自分はボランティアだから、チップをくれ」と要求してきた。
旅行代理店がアレンジしたツアーでボランティアの訳ないだろ!と自分は無視したが、タクシーに同乗した、途上国での旅に慣れてない他の人たちは律儀に払っていた。そんなの払う必要ないのに。


ともかく、タクシーに乗りシェムリアップを目指す。
ポイペトの町を出るとやがて未舗装道路に。車の外の景色も、やがて家もなくなり田んぼか原っぱかよくわからない草がひたすら広がり、ときどき牛が出てくる景色になった。


途中の車から眺めた景色


途中の道路と道端の村の様子。


これが、カンボジアの主要幹線道路である、国道6号線ですからね〜
もっとも、途中の看板によれば、アジア開発銀行の援助で舗装が進められているらしい(おそらく日本の援助も入っていることでしょう)。途中、1/4ぐらい舗装されていた。
あと5年ぐらいしたら、インドシナ半島の東西回廊の一部として、全面開通する日も来るのだろうか。


まぁ、それはともかく、大型バスでなくタクシーに乗ったおかげで、赤土の未舗装道路の割には、途中寝不足だったこともあり、爆睡している間にいつの間にか夕方4時半頃にシェムリアップのホテルSawasdee Angkor Innに到着。
ネットの噂では、もっとボッコボコのすごい道を想像していたので、予想外に快適にシェムリアップまでたどり着けた。
バンコクシェムリアップ間は、安全の意味で陸路より空路を薦める人が多いが、最近はカンボジア側の道も整備されてきているので、(カオサンバスは評判が悪いが)ツアーに参加するなら陸路でもよいのではないだろうか。


とりあえず部屋に荷物を置いた後、同じツアーに参加している人たちとホテルのロビーでしばしだべって、その後、夕食へ。
ホテルがオールド・マーケットの近くで便利な場所にあったこともあり、ガイドブックに載っているカンボジア料理のレストランにすぐ入れた。その辺の屋台も気になったが、とりあえず初日ということで、「何を食べてもハズレがない」と言われるレストラン「クメール・キッチン」へ。
ここは、値段は観光客用のレストランだったが、自分が注文した「アモック・フィッシュ(魚のココナッツミルクスープ煮込み)」(3US$)はそれなりに美味かった。いつの間にか席が埋まっていくところを見ると、人気のレストランらしい。


とりあえずみんなで夕食を食べた後、コンビニ(こんな所にも24時間営業のコンビニがあるなんて!)に立ち寄ってホテルへ戻る。
翌日は朝5時からアンコールワットの日の出鑑賞というスケジュールだったので、シャワーを浴びて旅の疲れを洗い流し、早々に寝ることにする。それにしても、前日まで慌しく仕事をしていたので、もうアンコールワットのある町に滞在しているとは、信じられない思いがした。