うまくいかないのが恋

うまくいかないのが恋

うまくいかないのが恋

日経新聞の朝刊に連載されている「甘苦上海」が面白い。
毎日読んでいる訳ではないが、何日か読み飛ばしても、一日ごとの区切りがよいので、面白く読める。
上海を舞台にした、女手一つで上海で地位を築いてきた年上の女性と、上海生活を楽しむ年下の男性の恋愛物語である。
現代の上海の様子が背景に描かれながら、年下の男性に翻弄される年上の女性の恋愛感情がよく描かれ、一話一話が印象的である。


私は、この小説で初めて高樹のぶ子さんという小説家を知り、最新のエッセイ「うまく行かないのが恋」を読んでみた。
このエッセイがまた、既に60代の人が書いた恋愛論とは思えないぐらい、なるほどなーと心に入る。
さすが、深い恋愛小説を書くだけあって、恋愛に関するエッセイも、内容が深い。
恋愛を軸とした人生論のようである。
思うにまかせぬことをどう楽しむかが、恋愛であり、人生である。
私も、この本を読んで、恋愛の奥深さを知るために、「源氏物語」をいつか読もう、と思った。